研究課題
基盤研究(B)
個々のミトコンドリアDNAの変異または障害が自然の加齢過程において蓄積するとの報告はこれまで数多くなされている。しかし、それらが生理的機能に影響を与えるまで蓄積しているとの証拠はいまだに提出されていない。このような状況下で、加齢に伴うミトコンドリアDNAの変異と障害の蓄積がミトコンドリア機能の低下につながるとの仮説そのものに対して疑義を呈する報告も増えている。"TFAMはミトコンドリDNAの構造蛋白質としてミトコンドリゲノム遺伝情報の維持に重要な役割を果たしている"との我々が提唱している作業仮説が正しければ(実際これを支持する結果を多く得ている)、TFAMはミトコンドリアDNA特異的に保護的な作用を持つことが期待でき、TFAM過剰発現トランスジェーニック動物は今までにないユニークな抗老化モデル動物となると考えてTFAM過剰発現トランスジェーニックマウスを作製した。水迷路試験を用いた学習記憶能力テストにおいて、このマウスは、2月齢の若年時には対照野生型マウスに比べ、試行エラー数に差が認められなかったが、6月齢では対照野生型マウスの約1/3に減少し、加齢に伴う学習記憶能力の低下の進行が明らかに抑制されていた。また加齢に伴う内臓脂肪の蓄積も野生型に比べ著明に低く、自発運動量においても有意な差が認められた。このように、TFAMによるミトコンドリアDNA保護は老化の進行を遅らせる効果があることが示され、ミトコンドリアDNAの老化進行への関与が示唆された。
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