研究概要 |
I.ZFAT・TR-ZFATの機能解析:ZFATは1243アミノ酸からなる18個のC2H2タイプのZn-fingerモチーフを有し、N末側にAT-hookを持つ転写制御因子であると推定され、ZFATのスプライシングバリアントであるtruncated form(TR-ZFAT)は11個のZn-fingerモチーフを有し846アミノ酸からなる蛋白をコードする。 (1)ZFATに対する抗体作製:モノクローナル抗体作製系を構築し、ZFAT, TR-ZFATに共通なモノクロナール抗体を複数クローン樹立した。それらがウェスタンブロット、免疫沈降法などで抗原を認識することを確認した。またポリクローナル抗体も作製した。 (2)TGマウス、KOマウスの樹立・解析:ZFAT, TR-ZFATのトランスジェニックマウスを樹立し、コロニーを拡大させている。KOマウスに関しては、KOコンストラクトの作製、ES細胞へのトランスフェクションを経て、相同組換えクローンを取得した。 (3)ZFATに制御される遺伝子群の同定:B細胞株にZFAT, TR-ZFATを強制発現するクローンを複数個樹立し、発現アレイ解析を行った。ZFAT、TR-ZFATにより発現制御される遺伝子として興味深い免疫系遺伝子群が同定された。そのうちの約20個の遺伝子についてZFAT強制発現による発現レベルの変動を定量PCRで確認した。更にZFATに直接的に制御される遺伝子群の同定の試みとして(i)PCR-assisted binding selection法を行い、ZFATの候補標的配列を同定し、(ii)更に(2)で作製した抗体を使用してのクロマチン免疫沈降実験を開始した。 II.AITD・SLEサンプル収集:共同研究機関およびBioBank Japanを通じて、合計で1,200例のAITD検体の収集を行った。また450例のSLE検体を収集した。
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