研究課題/領域番号 |
17390107
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
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研究分担者 |
自見 至郎 福岡大学, 医学部, 助手 (30226360)
鈴宮 淳司 福岡大学, 医学部, 助教授 (70206556)
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キーワード | T細胞リンパ腫 / HTLV-I / リンパ節 / ケモカイン / ケモカインレセプター / ATLL |
研究概要 |
(目的)末梢性T/NK細胞性リンパ腫をケモカインおよびケモカイン受容体の発現様式により、HTLV-1の関連したリンパ節病変の解析を行う。これに際しては、ケモカインおよびレセプターDNAチップを使用し疾患特異的なものを選択し免疫染色にて確認を行う。 (背景・材料・方法)免疫応答に関して、Tリンパ球は、サイトカインの産生様式によりTh1細胞、Th2細胞に大別され、アレルギー疾患はTh1病、Th2病という概念で理解されるようになった。またケモカイン、および、その受容体を解析することで、Th1細胞、Th2細胞の区別、機能が分かりつつある。これまで、我々は、HTLV-1の関連したリンパ節病変として、1)HTLV-Iキャリアに発生する反応性病変、2)ATLLリンパ腫の初期病変と考えられるポジキン様病変を報告し、3)典型的、ATLLリンパ腫である多形型リンパ腫を臨牀検索してきた。これらの症例を使用しケモカイン、ケモカインR,サイトカインのDNAチップの解析を行った。 (結果)約70種類のTh1とTh2に関与するケモカイン、ケモカイン受容体、サイトカインの乗ったDNAマイクロアレイを使用し、17例のATLLの検体を解析した。その結果CCL18のup-regulateとCX3CR-1のdown-regulateがみられた。pleomorphic ATLL(n=13)、anaplastic ATLL(n=12)、Hodgkin-like ATLL(n=12)、HTIV-I associated lymphadenitis(n=13)、non-specific lymphadenitis(n=10)のリンパ節標本でCCL18とCX3CR1の免疫染色を行ったところ、CCL18、CX3CR-1ともに腫瘍細胞そのものは陰性で、それぞれ樹状細胞や細胞障害性T細胞が陽性となった。CCL18はHTLV-I関連リンパ節炎とHodgkin様病変で多く発現しており、CX3CR1はいずれのHTLV-1関連病変でも発現が減少していた。本研究によりCCL18の高発現とCX3CR1の発現低下はATLL細胞に対する免疫応答に関与していることが示唆される。
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