研究課題/領域番号 |
17390108
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
田久保 海誉 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 参事研究員 (00154956)
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研究分担者 |
泉山 七生貴 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 助手 (10158751)
仲村 賢一 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (60159069)
本間 尚子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70321875)
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キーワード | FISH / 早老症 / 老化 / がん化 / テロメア |
研究概要 |
カールツアイス社製蛍光顕微鏡、CCDカメラ、カラーカリオタイプソフトウエアの設備が完了しました。さらに、共同研究者であるSteven Poon博士をカナダのBCがんセンターから招聘し、テロメア測定のソフトウエアであるTLF-Tolo version3(version1は公開済み)とtissue Teloをインストールしました。以上により、定量的蛍光in situ hybridization(Q-FISH)法により細胞分裂中期の染色体長・短腕別テロメア長(本邦1番目)と組織切片上(本邦1番目)でテロメア長の測定が可能となり、いくつかのデータを得ることができています。以下に列記します。 1.正常食道上皮の基底層は棘細胞層よりもテロメアは長く、MIB-1免疫染色で基底層が陰性なことから、上皮の幹細胞は基底層にあることが示唆されました。 2.乳腺、前立腺、大腸粘膜上皮の組織切片上で、テロメア長測定が進行中で、正常組織では存在する場所により、長さが異なることがわかりました。 3.組織切片上のQ-FISH法により、がん細胞と非癌細胞ではテロメアとセントロメアの光度比(T/CR)には、大きな差のあることがわかり、両者の鑑別診断に利用できることがわかりました(特許出願中)。 4.甲状腺癌細胞と、7種のTIG細胞の細胞老化に向けての染色体長・短腕別テロメア長の推移を測定しています。甲状腺癌細胞に関しては、論文が採択済みです。 5.食道正常上皮細胞と癌細胞の染色体長・短腕別テロメア長を測定し、長・短腕の間にはテロメア長に差のないことと、がんでは15-10%短いことがわかりました。論文を作成中です。 6.早老症であるワーナー症候群とダウン症候群患者由来の細胞の染色体長・短腕別テロメア長測定を開始しています。 全体として研究計画の進行は順調であると判断しています。
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