研究課題
アミロイドーシス」は蛋白質の正常構造から線維(病理的)構造への変換が最も重要なステップである『蛋白質構造異常病』である.現在までに25以上のアミロイド線維/アミロイドーシスが報告されているが、一部(Aβ、プリオン)を除いて適切な動物モデルが存在しないことが、アミロイドタンパク質の構造変換機構の解明と、予防法、治療法開発の大きな妨げとなっている。新たなアミロイドーシスモデルマウスの開発と伝播/感染仮説の検証を研究の中心と位置づけて、本年度は以下のような研究を行った。1)高感度、迅速なアミロイド線維の検出システムの開発:アミロイド線維形成能が高いApoa2^c遺伝子を過剰発現するTgマウス(Apoa2^cTg.Apoa2^<c/c>)を作成した。Apoa2^cTg^<+/+>.Apoa2^<c/c>はアミロイド線維による伝播に対して、高感度(10^<-8>μg)、迅速(投与後1ヶ月で全身にアミロイド沈着)で、アミロイド線維を検出可能であり、病原性の線維構造を検出するための新たなモデルマウスである。2)透析アミロイドーシスのモデルマス:ヒトβ2ミクログロブリン(hβ2M)を高発現するhβ2MTg+/+,mβ2MTg^<-/->を作成した。Aβ2Mアミロイド線維の投与によるアミロイド沈着の促進は認あられなかったが、AApoAIIの投与はAApoAIIアミロイド線維の沈着とその周辺組織へのhβ2Mの沈着(アミロイド線維か?は不明)を促進した。3)他のアミロイドーシスモデルマスの作成:アミロイド原性の高いヒト反応性アミロイドタンパク質SAA1のcDNAを過剰発現するTgマウスを作成した。またアミロイドーシスの発症や進行に炎症や感染反応が修飾的役割を果たすと仮定して、IL-6ノックアウトマウスと様々なアミロイドーシスモデルマウスとの交雑マウスを作成し、アミロイドーシスの発症を解析した。
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