研究課題/領域番号 |
17390116
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
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研究分担者 |
伊藤 浩史 福井大学, 医学部, 教授 (80253847)
秋山 裕 宮崎大学, 医学部, 助手 (00347056)
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キーワード | HAI-1 / HGF activator / HGF / 消化管粘膜再生 / H2RSP / ノックアウトマウス / 大腸 / 胎盤 |
研究概要 |
消化管粘膜の再生修復における分子機構、とくに上皮再生に働く多機能増殖因子である肝細胞増殖因子(HGF)の活性調節について検討した。HGFは間葉系の細胞から分泌され、傷害組織においてHGF活性化酵素によって非活性型から活性型へ効率良く変換される。この活性化酵素として、これまでにHGF activator(HGFA)、matriptaseおよびhepsinが同定されている。これまでにHGFAのノックアウトマウスを作成し、HGFAが強く傷害された腸管上皮の初期再生において重要な役割を有することを報告した。これらのHGF活性化酵素によるHGFの活性化は細胞膜結合型インヒビターであるHGF activator inhibitor type 1(HAI-1)による調節を受けており、HAI-1も消化管上皮に強く発現している。HAI-1の生体内意義を検討するために、HAI-1遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)を作成した。この結果、HAI-1ノックアウトマウスは胎生致死であり、その致死要因は胎盤ラビリンス層の形成不全であることを見出した。すなわち、HAI-1は細胞分化・形態形成において予想外の重要な機能を有している可能性がある。実際、細胞膜結合型HAI-1に予想外の機能が存在し、細胞の分化や増殖に寄与する可能性を腫瘍細胞を用いた強制発現実験で示した。 HAI-1類似のインヒビターであるHAI-2の遺伝子構造について研究する過程で、HAI-2遺伝子の下流に存在する新規ペプチド遺伝子を同定し、H2RSP(HAI-2-related small peptide)と名付けた。H2RSPは消化管粘膜上皮細胞に強く発現しており、分子内に核移行シグナルを有していた。H2RSPに対する特異的な抗体を用いた検討により、H2RSPは大腸粘膜上皮の分化・増殖停止に伴って核に移行すること、そして粘膜傷害後の再生上皮細胞においてはH2RSPの核移行が認められず細胞質内にとどまることを見出した。また大腸癌においては発現が有意に低下するにも関わらず、浸潤先端部において強い間質浸潤を示す癌細胞において強発現していた。
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