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2007 年度 実績報告書

シアン耐性呼吸酵素阻害剤(アスコフラノン)を用いた抗トリパノソーマ薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17390122
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

籔 義貞  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70080083)

研究分担者 北 潔  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
斎本 博之  鳥取大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20186977)
鈴木 高史  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70305530)
キーワードローデシア睡眼病 / シアン耐性呼吸酵素 / アスコフラノン / マウス / 誘導体 / 化学療法
研究概要

(1)感染マウスを用いたローデシア睡眠病に対するアスコフラノンの治療効果の検討:マウスにT. b. rhodesiense(IL2912)を10^6/mouse腹腔内に接種し5日後尾静脈血にて原虫感染を確認しアスコフラノンの投与を開始した。投与量は100mg/kgとし投与回数は24時間毎に4、6、8日間とした。結果は全ての治療マウスに原虫の再発が見られたのでグリセロールと併用投与に変更した。同様に感染マウスにアスコフラノン100mg/kg腹腔内投与、1時間後にグリセロール3g/kgを経口投与し、投与は3、5、7日間おこなった。この方法でも原虫の再発が見られた。そこで再度投与法を変更し、アスコフラノン100mg/kg腹腔内投与1時間および3時間後にグリセロール3g/kg2回経口投与した。投与回数は1、3、5日間とした。この治療実験において1日および3日間投与マウスはすべて再発が見られたが、5日間投与マウスでは治癒が認められた。この結果からアフリカ睡眠病の中でも急性症状を呈し病原性が高いローデシア睡眠病にも効果的なことが証明された。
(2)アスコフラノン及びその誘導体の合成と構造活性相関:アスコフラノンの側鎖の長さ、フラノン環の代わりにいろいろな官能基を付加したもの、フラノン環の無いものなどを合成し培養T. b. rhodesienseに添加しその増殖阻止効果を指標にして有効な誘導体を選別した。特許の関係上詳細には述べられないが3種類の有効な化合物を得ることができた。
(3)組み替え酵素を用いたアスコフラノンの阻害作用機序の解析:T. b. rhodesienseからシアン耐性呼吸酵素(alternative oxidase)遺伝子をクローニングし大腸菌により発現した組み替え酵素を用いアスコフラノンによる阻害作用を調べた。その結果アスコフラノンによる阻害作用は競合阻害であることを証明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Trypanosoma brucei vacuola protein sorting 41(VPS41)is required for intracellular iron utilization and maintenance of normal cellular morphology.2007

    • 著者名/発表者名
      S. Lu
    • 雑誌名

      Parasitology 134

      ページ: 1639-1647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Advances in drug discovery and biochemical studies.2007

    • 著者名/発表者名
      K. Kita
    • 雑誌名

      Trends in Parasitol. 23

      ページ: 223-229

    • 査読あり
  • [学会発表] アフリカトリパノソーマへのアスコフラノン/グリセロールin vitro殺原虫におけるグリセロールの標的2007

    • 著者名/発表者名
      藤岡 直
    • 学会等名
      第80回日本生化学会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-12-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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