研究課題
基盤研究(B)
(1)感染マウスを用いたローデシア睡眠病に対するアスコフラノンの治療効果の検討:マウスにT.b.rhodesiense(IL2912)を10^6/mouse腹腔内に接種し5日後尾静脈血にて原虫感染を確認しアスコ7ラノンを投与した。投与量は100mg/kgとし投与回数は24時間毎に4、6、8日間とした。結果は全ての治療マウスに原虫の再発が見られたのでグリセロールと併用投与する実験に変更した。同様に感染マウスにアスコフラノン100mg/kg腹腔内投与、1時間後にグリセロール3g/kgを経口投与し、投与は3、5、7日間おこなった。この方法でも原虫の再発が見られた。そこで度実験を変更し、アスコフラノン10mg/kg腹腔内投与1時間および3時間後にグリセロール3g/kg2回経口投与した。投与回数は1、3、5日間とした。この治療実験において1回および3日間投与マウスはすべて再発が見られたが、5日間投与マウスでは治癒が認められた。この結果からアフリカ睡眠病の中でも急性症状を呈し病原性が高いローデシア睡眠病にも効果的なことが証明された。(2)アスコフラノン及びその誘導体の合成と構造活性相関:アスコフラノンの側鎖の長さ、フラノン環の代わりにいろいろな官能基を付加したもの、フラノン環の無いものなどを合成し培養T.b.rhodesienseに添加しその増阻止効果を指標にして有効な誘導体を選別した。特許の関係上詳細には述べられないが3種類の有効な化合物を得ることができた。(3)組み替え酵素を用いたアスコフラノンの阻害作用機序の解析:T.b.rhodesiense からシアン耐性呼吸酵素(alternative oxidase)遺伝子をクローニングし大腸菌により発現した組み替え酵素を用いアスコフラノンによる阻害作用を調べた。その結果アスコフラノンによる阻害作用は競合阻害であることを証明した。
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Parasitology 134
ページ: 1639-1647
Trends in Parasitology 23
ページ: 223-229
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