研究課題/領域番号 |
17390126
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30126809)
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研究分担者 |
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
内嶋 雅人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20252174)
千田 金吾 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40197611)
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30291397)
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キーワード | 結核 / ワクチン / T細胞エピトープ / ケモカイン / レンチウイルスベクター |
研究概要 |
1)第三世代レンチウイルスをベクターとした抗結核ワクチンの開発 MPT51防御抗原を発現するレンチウイルスベクターをBALB/cマウスに経気道免疫した。MPT51はBALB/cマウスにCD8+T細胞を誘導するため、感作T細胞の検出には主にテトラマー法を用いた。昨年度の研究より、この免疫法では主に縦隔リンパ節で感作が行われることが判明した。肺胞マクロファージはCD11cが陽性であるため、樹状細胞(DC)との識別が困難である。そこで、縦隔リンパ節中に移行したDCをMHCクラスII抗原で検出した。その結果、MPT51をT細胞に提示するDCは肺から縦隔リンパ節に移行することが明らかとなった。又、免疫2ヶ月後の記憶T細胞の動態を検討したところ、予想外にも縦隔リンパ節には存在せず、肺(BALTを含む)と脾臓に存在することが判明した。従って、このワクチンを接種したマウスに結核菌が経気道的に感染した際には、これらの記憶T細胞が動員されると考えられる。現在、この免疫マウスの結核菌の気道感染に対する感染防御能を検討中である。 2)ケモカイン/MPT51融合ワクチンの有効性 MPT51をDCに効率良く取り込ませ、T細胞を感作するため、未熟DCに発現しているCCR5のリガンドであるCCL3とMPT51の融合蛋白ワクチンを作製した。昨年度はこの融合蛋白ワクチンを発現するDNAワクチンを用いて、その有効性を示した。今年度は融合蛋白そのものをアジュバントなしで免疫しその効果を検討した。その結果、この融合蛋白はCD8+T細胞を感作するが、CD4+T細胞を感作する能力が弱いことが判明した。これは、この融合蛋白がDC中でクロスプライミングを効率よく誘導するという結果と一致する。 3)MPT51のHLA拘束性T細胞エピトープの同定 ヒトのMPT51特異的T細胞を検出するため、HLAトランスジェニックマウスを用いて、T細胞エピトープの同定を行った。その結果、HLA-A*0201拘束性エピトープは51-70の9-merであることが判明した。又、HLA-DR4拘束性エピトープは190-210に存在することが判明した。
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