研究分担者 |
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20132920)
八木 淳二 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70182300)
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
松田 義雄 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10339020)
菊池 賢 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60214748)
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研究概要 |
産褥熱としてのTSS発症の把握と患者T細胞の解析:黄色ブドウ球菌感染症トキシックショック症候群(TSS)は致死性の高い感染症である.発症機序はスーパー抗原活性をもつ原因外毒素TSS toxin-1 (TSST-1)によるT細胞の活性化に帰因する.東京女子医科大学産婦人科学や同大学臨床感染対策科との共同で,東京都,千葉県,神奈川県,埼玉県に設定されている周産期医療センター(100万人に1センターの割合)やその管轄下の病院,開業医院との研究ネットワークを形成し「出産後に急激な感染症の全身性症状を呈し,黄色ブドウ球菌が検出される症例」について,東京女子医科大学微生物学免疫学教室まで搬送し,末梢血T細胞にTSST-1応答性Vβ2+T細胞の増幅についてフローサイトメーターを用いて解析を行っている.結果はただちに病棟へ連絡(検査開始後5時間)。また,急性期におけるTSS患者血中のサイトカインと増幅したSEA応答性T細胞のin vitroにおけるTSST-1応答性を測定することによってTSS発症の一端を解析している.これまで8名のTSS患者に早期確定診断が得られ,病棟に連絡することができた.特徴的なことは,臨床診断基準でTSSと診断され,Vβ2+T細胞の増幅が観察されなかった症例(非TSS症例)が1例,臨床診断基準では最終的にTSSと診断されずにVβ2+T細胞の増幅が見られ,早期に確定診断が得られたTSS症が4例あり,我々の研究室での診断基準の重要性が証明された.さらにスーパー抗原や関連分野の研究も行いある程度の成果を得た。
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