研究課題
基盤研究(B)
1.SLAM/SAP発現とEBV再活性化:(1)Burkitt'sリンパ腫(BL)細胞株(8株)、他のB及びTリンパ球系細胞株(5株)及び胃上皮細胞株(2株)におけるSLAMおよびそのアダプター蛋白質であるSAPの発現を解析した。SLM発現は全ての細胞株でが見られたが、SAP発現はBL細胞株Daudi及びAkata、T細胞株Jurkat及びMT-4のみに認められた。Daudi及びAkataを抗ヒトIgで刺激するとSAP発現は速やかに減少し、それと同時にEBV再活性化が誘導された。TGF-β1処理Daudiで同様にSAP発現の減少とEBV再活性化が誘導されたが、TGF-βレセプターIIが欠陥しているAkataでは誘導されなかった。本結果は、SAPとEBV再活性化シグナル経路とのクロストークを示唆している(Virol.J.訂正中)。(2)SLAMはB細胞の増殖及びIL-4遺伝子発現を調節する:SLAM発現陽性のEBV感染B細胞株OBを抗SLAM抗体で処理すると細胞増殖が抑制され、IL-4 mRNA発現が減少したがINF-γmRNA発現に変化はなかった。B細胞膜上のSLAMからのシグナルは細胞増殖およびIL-4転写調節に関わっている可能性が示唆された(投稿準備中)。(3)SAP陽性のDaudi及びAkataの個々のクローン細胞はSAP発現レベルが異なる。SAP低発現のクローン程、抗ヒトIgやTGF-β1によるEBV再活性化の誘導効率が高い傾向が見られた(投稿準備中)。2.EBV再活性化シグナル伝達.(下記論文掲載済):(1)AkataはTGF-β1で細胞の増殖抑制もEBV再活性化も誘導されない。その原因はTGF-β1レセプターIIの欠損によるシグナル伝達系の異常である。(2)Akt/P13キナーゼ経路がP3HR-1細胞の増殖及びEBV再活性化を促進するシグナル伝達経路として機能する。(3)EBV再活性化で発現される早期蛋白質EA-DはBL細胞株でリン酸化状態の違いにより4分子(58,50,48と44kDa)の形態をとり、リン酸化状態(58と50KDa)で出現し、その後脱リン酸化状態(48と40kDa)で細胞内に蓄積する。(4)BL細胞株でp38MAPKは恒常的に細胞質内に発現され、IL-10産生をプラスに調節している。3.今後の展開:EBV遺伝子変異は地域特異性を示す(論文掲載済)。(1)アフリカBL由来EBVと日本人から分離されるEBVのLMP1遺伝子型には大きい違いが見られる。(2)日本人由来LMP1はChina1型であるが中国人由来China1より多くの変異が見られる。
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