研究課題
我々はHTLV-I-Tgマウス、およびIL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1Ra)KOマウスを作製し、共に自己免疫性の関節炎を発症することを見いだした。これらは共に関節リウマチに似た病態を示し、関節リウマチの良いモデルであると考えている。ところで、最近の抗サイトカイン抗体療法が示す様に、病態形成にはサイトカインが重要な役割を果たしている。興味深いことに、HTLV-I-Tgマウスの発症がIL-6に依存し、TNFには依存しないのに対し、IL-1RaKOマウスでは逆にTNFに依存し、IL-6には依存せず、両者の発症機構には異なる点もあることがわかった。また、マイクロアレイ解析の結果、病モデルに共通して発現変動する遺伝子と各モデルに特異的に発現変動する遺伝子も見られた。そこで、本研究は1)HTLV-I-TgとIL-1RaKOマウスモデルにおけるサイトカインの病態形成における役割と相互関係、2)両モデルが異なるサイトカイン依存性を示すメカニズム、3)マイクロアレイ解析で発現変動の見られた新規遺伝子の生理機能と病態形成における役割、の3点を明らかにし、新しい治療法開発への手がかりを得ることを目的とした。本年度は、両モデルマウスで共通に発現亢進していた遺伝子のうち、機能未知の遺伝子のKOマウスを6系統作製し、1系統は作成中である。作製の先行したKOマウスでは、コラーゲン誘導関節炎に抵抗性になっている系統や、逆に高感受性になっている系統が見られた。来年度はそのメカニズムの詳細な解析を行うと共に、両モデルマウスに特異的に発現する遺伝子に注目し、これらのマウスの関節炎発症におけるサイトカイン要求性の違いの検討を行う。
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