研究課題
好塩基球はIL-3の存在下で骨髄細胞から分化する細胞である。肥満細胞も同時に誘導される。はじめに肥満細胞と好塩基球のTLR発現を比較した。両者は共にTLR4を発現していた。次にLPSで刺激すると好塩基球は強力にIL-4とIL-13を産生した。一方、肥満細胞はIL-13を産生するが殆どIL-4を産生しなかった。次にLPSで刺激された好塩基球あるいは肥満細胞でB細胞を刺激してIgE産生の誘導の有無を検討したが、好塩基球はIgE産生を誘導したが肥満細胞にはその様な誘導能は認められなかった。次に正常なBALB/cマウスにLPSを投与したところ、好塩基球はIL-4を産生する様に活性化されており、血中では多クローン性のIgE産生が認められた。TLR4^<-/->あるいはIL-4Rα^<-/->にLPSを投与してもIgE産生誘導は得られなかった。また、LPS投与によってTh2細胞は誘導されなかった。以上の実験から、LPSで刺激された好塩基球の作用でB細胞が適当な刺激を受け、IgEを産生したと推測された。既にIL-18が好塩基球を刺激してIL-4産生を誘導することを明らかにしている。また、IL-18を正常なマウスに投与すると、IgE産生が誘導されることも明らかにしている。そこで、IL-18^<-/->マウスにLPSを投与した。このマウスの場合でもやはりIgE産生は認められた。この結果から、LPSで刺激された樹状細胞/マクロファージ由来のIL-18の作用によるものでないことが明らかとなった。IL-33も樹状細胞/マクロファージから産生される。今後はIL-33の関与を否定して、LPSが直接に好塩基球とB細胞を刺激することで、多クローン性のIgE産生が誘導されることを証明したい。
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