研究課題
好塩基球のAPC能、特にTh2細胞の誘導能を研究した。(1)表面分子の解析:APCであるために必要な分子群の発現をFACSで解析した。すなわち、MHCクラスII、CD80(B7-1)/CD86(B7-2)、ICAM-I、CD40を調べた。尚、好塩基球の調製は、BALB/cマウスの骨髄細胞をIL-3の存在下で10日間培養後、FcεRI^+c-Kit^-の細胞群を好塩基球として用いた。その結果、好塩基球はCD40以外は上述した全ての分子を発現していた。(2)Th2細胞の誘導:OVA分子あるいはOVAペプチドで好塩基をパルスした後、OVA特異的TcRを発現するDO11.10マウスから得たナイーブCD4^+T細胞とともに培養した。一方、比較検討の対象となるAPCとしてOVA分子あるいはOVAペプチドでパルスした樹状細胞を用いた。CD4^+T細胞の培養は、外来性のサイトカイン無添加(Th0 condition)で、あるいは外来性にIL-4と抗IL-12抗体を加え(Th2 condition)て、OVAあるいはOVAペプチドパルスAPCの存在下で培養した。培養終了後、T細胞を回収し、IL-4とINF-γ産生細胞の割合を調べた。その結果、好塩基はTh0 conditionでもCD4^+T細胞(ナイーブT細胞)をOVA特異的Th2細胞に分化誘導することが明らかになった。次に、抗原としてOVAの代わりにDNP-OVAを使用し、更に抗DNP IgE抗体を加え、抗原(DNP-OVA)/抗体(抗DNP-IgE)複合体を好塩基上で形成させた形で好塩基にOVAを取り込ませたところ、好塩基球はより効率よくAPC細胞として機能し、OVA特異的Th2細胞を誘導した。
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