(医療現場における携帯電話使用解禁の可能性調査と詳細な手順案の作成) これまでの調査や実験を調べ、認められる影響をまとめると共に、医用電子機器に影響を与えない状態での電波発信の可能性を探った。 医療機関において職員・入院患者・外来患者・見舞い者などそれぞれの立場に立った移動体電話及び無線LANの使用の可否について、その可能性を探ると共に使用条件をまとめ、研究会および国際学会において発表した。その際、実例として島根大学医学部附属病院に導入した無線LANおよび医師向けPHSの例を取り上げた。 また、医療機関における携帯電話使用許可への要求の高まりをうけ、安全に解禁するための区域決定および許可条件について私案を作成し、学会および論文の形で発表した。 (医療現場における電磁環境の総合的な調査:電源ノイズ) 医療機関の供給電力に重畳するノイズや雷などに起因する電圧変動について、大学病院にご協力をいただき、手術室、ICU、一般病室、コンピュータサーバ室における供給電力に対して、それぞれ重畳しているノイズの測定調査を行った。測定結果は今後発表予定である。 (電磁環境シミュレーションの開発と実証試験) 放射電磁界の分布シミュレーションプログラムを用いて、実環境に対する電磁界分布シミュレーションを行い、実測値との比較を行った。対象は無線LANの国際規格にある2.4GHzおよび5.2GHzとした。また、実測値とシミュレーション値の比較を、単一放射源および複数放射源による電磁界分布を対象として行った。これらの試験結果は国内の学会において発表した。
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