研究課題
【仮説】本研究は、過去2年に行った患者安全の立場から観た可用性、通覧性、完全性、責任制、説明性、機密性と相互利用性の両立が求められる医療記録の構造、および指示-実施過程記録の妥当性の検証を踏まえ、5年後に具現化すべき「救急医療に堪える医療情報システム」を主題とした。救急医療は、救急隊、医療職など所属が異なる職種が関わる地域におけるチーム医療の典型であり、教育研修病院の8割以上がその任にある。多職種が短時間に高密度の情報を共有、処置治療を展開する過程は、情報処理上、最も過酷な条件を要求する。救急医療分野の課題は他のすべてに通じると考えたからである。【救急医療の基本的プロセスモデル】患者情報を関係者が共有(共通利用)できる救急プロセスモデルを設定した。モデルは、広島大学救命救急センター収容者の病歴サマリに基づいて、病院収容前、ER収容時点、集中治療室収容時に継続する情報集積を重点においた。【現行システム評価と改善点】関連職種によるワークショップ(2008年3月20日・広島大学56名参加)を開催。課題を「救急医療で記録し難い情報とは?」「救急医療現場における(重視される)電子集積・活用のあり方とは?」の観点から整理した。結果、医療は行為と記録は同時に不可能。現行法規の遵守では事が必然、「医療行動記録専門職」(医療レコーダ)設置、一時記録蓄積、医療者による内容認証、永久保存ファイルへの蓄積の手順が不可欠と結論づけた。【医療データの流通管理スキルと体制の国際標準化】他方、上記の達成要件の一つは、システム企画構築、導入教育、および運用管理に当たる専門職のスキルと組織化である。主任研究者は、国際医療情報学連合(IMIA)学術集会(2007年8月22日・ブリスベン)において標記を主題とするシンポジウムを主宰、IMIAでの検討を継続、次回(2009年11月・広島)に集約することに決した。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (10件)
第27回医療情報学連合大会(第8回日本医療情報学会秋季学術大会)論文集 27
ページ: 1039-1040
Proceedings of the 12th World Congress on Medical Informatics (MEDINFO 2007, IOS Press) (CD-ROM論文集)
ページ: S080
ページ: 190
ページ: 56
Proceedings of the 12th World Congress on Medicai Informatics (MEDINFO 2007, IOS Press) (CD-ROM論文集)
ページ: 197
ページ: 300
ページ: 206
病院管理 Vo1.44 (supplement)
ページ: 102
ページ: 897-900
ページ: 525-528
ページ: 425-428
ページ: 975-976
ページ: 645-648
ページ: 1342-1343
ページ: 1344-1345