研究課題/領域番号 |
17390179
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐野 有理 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338023)
|
研究分担者 |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
菊池 有利子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10383720)
吉岡 範幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70365229)
田中 昭代 九州大学, 大学院医学研究院, 専任講師 (10136484)
平田 美由紀 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (30156674)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
キーワード | インジウム / 呼吸器影響 / 時間断面研究 / 肺間質性障害 / KL-6 / 高分解能CT撮影 / スパイロメトリー / リスクコミュニケーション |
研究概要 |
本研究期間中に、15社21事業場・本社(九州3カ所、中国・四国2カ所、近畿1カ所、関東12カ所、東北3カ所)にのべ44回訪問・接触し、時間断面調査(新規事業場)・追跡調査、個人及び工場・会社への結果還元、本調査への参加協力交渉、新しいリスク情報交換及びリスクコミュニケーション(含各事業場本社および慶應大学訪問)を実施した。健康影響項目として、呼吸器自覚症状・既往歴・生活歴等に関する問診、スパイロメトリー、胸部HRCT撮影、KL-6、SP-D、SP-A、曝露関連項目として血液.血清中インジウム濃度測定を実施した。一部の事業場については、過敏性肺臓炎・膠原病による肺臓炎との異同を明らかにするために免疫機能.膠原病関連項目を実施し、原子番号が1つ下のカドミウム類似健康影響否定のために腎皮質機能項目を含めた。 この疫学調査の結果、新たに3名がインジウム肺と判明し、その結果、平成19年2月末の段階で、本症例を含め計10症例(発表7症例、未発表3症例)のインジウムによる間質性肺障害(インジウム肺)を把握している。 平成19年2月末現在、我々の手元に健康情報のある調査協カインジウム作業者数は約530名、非曝露者約150名であった。これらの作業者の初回検診結果を解析すると、曝露作業者中KL-6が異常値(>500)を示したのは4分の1強であり、HRCTで間質性変化が認められたのは、約十分の一であった。血清中インジウム濃度とKL-6、SP-D等は非常に明瞭な量影響関係・量反応関係を示し、10例の症例と併せて、インジウム曝露と肺間質性障害の因果関係が確立した。 研究対象者数は本研究課題である曝露限界値設定に十分な制度で寄与する数であり、受理論文・投稿中論文および今春の学会発表内容と併せて、曝露限界値設定のための提案理由を作成中である。 (772字)
|