研究課題/領域番号 |
17390180
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
今井 博久 国立保健医療科学院, 疫学部, 部長 (20316631)
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研究分担者 |
濱砂 良一 宮崎大学, 医学部, 講師 (30189609)
山口 昌俊 宮崎大学, 医学部, 講師 (90174630)
篠原 久枝 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (40178885)
藤井 良宜 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
廣岡 憲造 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80292126)
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キーワード | クラミジア感染 / 高校生 / 無症状 / 感染率 / 危険因子 / 性交 |
研究概要 |
平成17年度は、当初の予定通りに約6000名の参加者を得ることができた。そのうち、不備のある質問票や尿提出のないものなどを除外し、解析の対象にできた高校生は全体で5598名であった。内訳は女子高校生2930名、男子高校生2668名であった。今回の対象者のうち、17歳以上が71.1%で高校2年生3年生が中心であった。性交渉の経験があったのは、女子高校生1281名(43.3%=1270/2930)、男子高校生827名(31.0%=827/2668)であった。 無症状のクラミジア感染率は、女子高校生は13%、男子高校生は7%であった。年齢別にクラミジア感染者を見ると、女子では16歳が17%で最も高く次いで18歳が14%で年齢による差があった。男子では18歳以上が8%で最も高かったが年齢による差はほとんどなかった。 喫煙および飲酒の有無では、男女ともに有意な差があった。煙草を吸う女子高校生は22%(吸わない女子高校生は10%)、煙草を吸う男子高校生は8%(吸わない男子高校生は5%)であった。飲酒をする女子高校生は16%(しない女子高校生は9%)、男子高校生では8%(しない男子高校生は4%)であった。性的なパートナー数では、男女ともにパートナーが増えれば増えるほど感染率が増えていた。女子では、5人以上のパートナー数では3人に1人が感染していた(33%)。男子でも、パートナー数が1人増えるごとに倍々で感染率が増加していた。初めての性経験の年齢すなわち初性交年齢では、女子が14歳以下では18%の感染率で突出しており特徴的であった。初性交年齢が15、16、17歳と高くなればなるほど感染率は低く、18歳では感染率は0%であった。男子では年齢による差はほとんどなかった。初性交のときの相手の年齢は、女子では年齢が上がるにつれて感染率が上がる傾向が見られた。男子ではそうした傾向はなかった。 平成18年度は、研究計画にしたがって主に公立高校を対象に参加人数を増やし最終的に約10000名とする。危険因子を同定し効果的な蔓延予防対策を明らかにすることを目指す。
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