研究課題/領域番号 |
17390190
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
井上 幸紀 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50254397)
|
研究分担者 |
切池 信夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60094471)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20160393)
林 朝茂 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10381980)
佐藤 恭子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00381989)
長谷川 健 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (40398417)
|
キーワード | 職業性ストレス / うつ病 / 性格 / ストレス対処方法 / 郵政公社 / 教職員 / 労働者 / 質問紙 |
研究概要 |
2350人の大阪市教職員を対象に、職業性ストレスと抑うつ気分の関連について検討を行った。すなわち平成18年度同様SDS、NIOSH調査票、短縮版POMS、東大式エゴグラムなどからなる質問紙を配付し、1865人から回答を得た(回収率73.7%)。抑うつ気分が高い教職員は24%にのぼり、未婚者、単身者、幼稚園勤務者、残業の多いなどの背景を持つものが多かった。職業性ストレスとの関連では、既知のDemand-Control-Support Model(DCS model)が教職員でも成立することが示され、ここに性格傾向を加えて検討すると、DCS modelは破綻せずに更に相対危険度は増し、他人の顔色を見るような性格が最も抑うつ気分と関連していることが示された。 平成18年度の研究対象群であった日本郵便(旧郵政公社)職員に対しては、研究結果をまとめたDVDビデオを作成し、一部集団に配付しそれを視聴してもらうことを介入とした。平成20年度にはこのような介入による抑うつ気分の抑制効果について検討する。また、教職員についても講演会などで介入を行い、その効果を検証する予定である。 患者群として大阪市立大学神経精神科外来を受診したした就労しているうつ病患者に対し研究内容を説明し、同意を得られた場合に質問冊子の配布と回収を行い、加療による症状改善後に再び同様の質問紙を実施し、抑うつ気分が職業性ストレスに影響を与えているかどうかの縦断的解析を行っている。現在15名の治療前後のデータが得られた。初診時に比べ症状改善後のSDSは有意に低下し、職業性ストレスのうち役割葛藤、グループ内対人葛藤、グループ間対人葛藤、仕事量、仕事量の変動などで改善を認め、その関連が推測された。平成20年度は更に症例を増やし、検討を深める予定である。
|