研究課題/領域番号 |
17390192
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大脇 和浩 帝京大学, 医学部, 講師 (60297124)
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研究分担者 |
橋本 英樹 東京大学, 医学部, 客員教授 (50317682)
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
石川 ひろの 帝京大学, 医学部, 助手 (40384846)
田宮 菜奈子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20236748)
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キーワード | 介護保険 / 世帯機能 / 高齢者 / 機能予後 / 配偶者 |
研究概要 |
少子高齢化を背景に介護の社会化が必要となり、介護保険制度が導入されたが、現行制度では高齢者の身体的・認知的障害によってのみ認定され、世帯の社会経済的状況については考慮されていない。世帯構成・配偶者の性差が高齢者の機能状態・予後に与える影響を明らかにする必要がある。 脳卒中は寝たきりの主要な原因の一つであり、高齢化に伴いますます重要な疾患となりつつある。積極的な治療後も何らかの機能障害が残存することが多く、長期入院となりさらには社会復帰困難となる可能性が高い。介護者の負担や入院・介護に要する費用の観点からも、早期自宅退院に関連する要因を疾患の重症度だけでなく、世帯構成や介護者の性差といった社会的要因も含めて検討する必要がある。今回は脳卒中急性期入院後、他の関連する臨床的・社会的因子とともに家族構成が自宅退院ならびに入院期間に与える影響を調査した。地域の脳神経外科病院に入院した患者158名(脳梗塞114名、脳内出血44名)を評価した。そのうち自宅退院したものは98名であり、低ADL、(ラクナ梗塞と比較して)中等度以上の脳梗塞及び脳内出血が自宅退院できないことと有意な関連があったが、家族構成との関連はみられなかった。しかし自宅退院した者のうち、入院日数を予測する重回帰分析を行った結果、低ADLが長期入院の主要な予測因子であったことに加え、家族構成では子と同居している者に比較して、夫婦のみの家庭では男女で全く反対の影響がみられた。男では妻がいる場合入院期間が短く、女では夫がいる場合長い傾向があった。このことから、脳卒中入院後早期自宅退院のためには家族構成も考慮に入れた対応が必要と考えられた。 今後の課題として、脳卒中患者は退院後どのように介護保険サービスを利用しているのか、ならびにそこに与える世帯構成の影響について調査していく予定である。
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