研究課題
従来1年以上の長期にわたる支援方法やその効果、健康教育における対象者や指導者の各要因と長期効果との関連はほとんど検討されていない。本研究は無作為割付介入研究の手法を用いて6ヶ月の重点支援期間後の継続的な生活改善支援が、自助努力より有意に糖尿病発症を予防するか否かを明らかにする。前年度の検査値が空腹時血糖(FBS)110-125mg/dlを満たす参加者を5名以上募集可能で、5年間の長期フォローが可能な施設を地域・職域から募集した。参加を表明した55施設のうち46施設で実際に介入が実施された。平成17年10月現在で全ての施設6ヶ月の重点介入が終了し、施設ごとに介入継続群と観察群に無作為に割り付ける。その後1年に1回空腹時採血により糖尿病発症(2回の検査で連続してFBS 126mg/dl以上)の有無を把握する。介入継続群では、継続的な支援を実施している。参加者総数は449名であり、6ヶ月指導を完了したものは433名であった。研究開始時のスクリーニングにより、支援開始時に研究対象となったもの(FBS 95-125mg/dl)は342名であった。重点指導期間中に糖尿病に移行したのは34名であった。6ヶ月間の糖尿病発症率は男性で高く、女性で低い傾向が見られた。この背景要因として体重変化が女性で大きく、男性で少ないことによると考えられた。介入期間中の空腹時血糖値にはほとんど変化が見られなかったが、HbA1cおよび1.5AGは有意に改善していた。本研究は平成17年10月現在で全ての参加施設での6ヶ月間の集中介入が完了し4.5年間の長期フォロープログラムに移行した。6ヶ月終了時で糖尿病を発症せず長期フォローに同意した参加者は介入継続群で156名、対照群で136名であり、両群の特性はほぼ類似していた。1年以上観察できた対象者では介入継続施設で98名中2名、対照群で106名中3名が糖尿病を発症した。さらに追跡期間を延長する予定である。
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