研究概要 |
1.研究経過 従前のマウス臓器中の年齢依存性発現遺伝子の検索により、年齢依存的に発現する新規タンパク質Mpv17-like protein(M-LP)を同定し、M-LPが糸球体硬化症の発症に関連するMpv17 proteinに高い相同性を有すること、抗酸化酵素の発現調節に関わることを明らかにした。そこで今回は、M-LPによる発現調節を受けると考えられる2つの抗酸化酵素superoxide dismutase(SOD)およびglutathione peroxidase(Gpx)に関する遺伝学的解析を行った。 2.研究方法および結果 ヒトの抗酸化酵素遺伝子内の非同義置換型SNPに着目し、これらのSNPを効率よく判定するための同時解析法(multiplex single base extension method)を開発した。この解析法を利用してアジア、アフリカ、ヨーロッパの各集団におけるSNP解析を実施した。 (1) SOD 10個の非同義置換型SNPのうち2個(SOD2 Ala16Val, SOD3 Ala58Thr)がすべての集団において多型性を示し、頻度分布は集団間で大きく異なっていた。SOD2 Ala16Val(SOD2のミトコンドリア局在シグナル内の多型)の遺伝子型は血清中のSOD2活性と、また、SOD3 Arg231Gly(SOD3のヘパリン結合領域内の多型)の遺伝子型は血清中のSODの総活性と相関することが示された。 (2) Gpx 11個の非同義置換型SNPのうち1個(Gpxl P200L)がすべての集団において多型性を示し、頻度分布は集団間で大きく異なっていた。
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