研究課題
日本全国に展開する自治医大卒業生とのネットワークを構築し、日本全国からの血液サンプル収集を引き続き行い、現在1万5千人を超える臨床情報付きのゲノムバンクが構築された。匿名化されたゲノムを用いて、生活習慣病との関連が疑われている候補遺伝子の機能的SNPのタイピングを行っている。遺伝子多型を用いた高血圧関連候補遺伝子アプローチでは、ゲノムサンプルから高血圧患者群と対照者群を抽出し、多型解析に基づく症例対照研究を行うことによって、炎症関連遺伝子CIAS1に存在するVNTR多型との関連を見いだした。また、このVNTR多型は当該遺伝子の白血球中での発現量に関連していることを明らかにした。また、この炎症関連遺伝子の血圧への関与をより明らかにするために、遺伝子産物を白血球中で過剰発現するトランスジェニックマウスを樹立した。その新生仔マウスは、間質性肺炎を起こし生後2日目までに死亡するという興味深い現象が見いだされた。現在、間質性肺炎の発症メカニズムを解析中である。また、アディポネクチンレセプターのシグナル伝達分子多型と高血圧との関連も見いだし、現在、確認実験を進めている。さらに、モンゴル・ウランバートルのモンゴル保健科学大学との共同研究を進め、モンゴル住民約950名のゲノムDNAを用いて、糖尿病・肥満に関連したケースコントロール解析を行った。その結果、インスリン抵抗性に関わるとされるレチノール結合蛋白遺伝子のプロモーターSNPに、糖尿病・肥満との関連を見いだすと同時に、当該遺伝子産物の発現量への関連を見いだした。また、自治医科大学附属病院において脂肪組織の収集を行い、この遺伝子の脂肪組織中での発現とSNPとの関連について検討を行った。また、小胞体ストレス関連分子についても、糖尿病ならびに肥満との関連について関連解析を行い、いくつかの分子において関連を見いだしている。
すべて 2007 2006
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