研究課題
基盤研究(B)
和漢薬をプローブとして用い、動物および培養細胞に適応することにより、その和漢薬がターゲットとする機能分子を解明し、ひいては病態の新たなメカニズムの提唱・解明につなげることを目指して、本研究を行った。下記に示す成果が得られた。1)「補中益気湯」をNG108-15細胞に適応し、DNAアレイ解析を行ない、その後の詳細な解析によりうつ病に関連する可能性のある内因性因子BNIP-3を見出した。BNIP-3のmRNA発現は、各種抗うつ薬でも補中益気湯同様に濃度に依存して上昇した。2)「釣藤散」の認知症治療効果に着目し、認知症に関連する内因性因子の探索を試みた。IDE、ネプリライシンやα7ニコチン受容体などいくつかの因子が発現変化することが見つかったが、そのうちでM-CSFに着目し、その生理機能解明を目指した検討を行った。M-CSF mRNA発現は虚血単独でも上昇し、釣藤散はその作用を初期および低濃度で増強すること、その作用にはPKC系が関与すること、一方、高濃度では発現抑制に転じ、その効果にはcAMP上昇が関連し、おそらくはグリア細胞系の細胞機能に影響しているものと考えられた。このことより釣藤散は神経保護作用を有するとされるM-CSF発現上昇を効果的に補助し、その後抑制に転ずることで副作用発症を防いでいるのではないかと思われる。例えば一酸化窒素にも、血管拡張と細胞死という長短両作用があるが、和漢薬による「有効作用の単離」効果は、今後の課題として面白いであろう。上記以外にも本研究費により、3)「当帰芍薬散」がPCAP mRNA発現上昇ならびにプロゲステロン受容体mRNA発現抑制などの遺伝子発現制御を介して、最終的に女性ホルモン様作用を示すことや、4)5-HT2C受容体mRNA editingとその生理的意義に関する研究も行なった。
すべて 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (38件) (うち査読あり 19件) 学会発表 (33件) 図書 (2件)
Neurosci. Res. (in press)
Neurosci. Res (in press)
J. Trad. Med. 24
ページ: 24-30
ページ: 31-38
J Pharmacol Sci. 103
ページ: 360-373
Biol Pharm Bull. 30
ページ: 1732-1739
Biol. Pharm. Bull. 30
ページ: 2250-2256
J. Trad. Med 24
J Pharmacol Sci 103
Biol. Pharm. Bull 30
Life Sci 78
ページ: 1884-1891
J Pharmacol Sci. 100
ページ: 427-432
Free Radic Res. 40
ページ: 685-695
J Pharmacol Sci 100
Free Radic Res 40
Biol. Pharm. Bull. 28
ページ: 744-746
ページ: 53-57
J. Pharmacol. Sci. 98
ページ: 58-65
Eur. J. Pharmacol. 517
ページ: 191-199
Pharm. Biochem. Behav. 81
ページ: 616-625
Biol Pharm Bull. 28
ページ: 1389-1393
J Pharmacol Sci. 98
ページ: 467-470
ページ: 1873-1878
Biol. Pharm. Bull 28
Pharmacol. Sci 98
Eur. J. Pharmacol 517
Pharm. Biochem. Behay 81
Biol Pharm Bull 28
J Pharmacol Sci 98
ページ: 467-70