研究概要 |
(1)基礎研究「疾患動物モデルを用いた肝疾患へのストレスへの影響」 これまでa-galactosylceramideを用いた急性肝炎マウスモデルやB型肝炎マウスモデルにおいて、電撃ストレスやSocial disruptionストレスが、肝内Fas抗原を上昇させ、肝障害を増悪させることを明らかにした(Neuroimmunomodulation 12:375-379,2005、J Gastroenterol Hepatol 20:202-208,2006) 本年度は、こういった脳-肝相関の介在経路として迷走神経系の関与を想定し、検討を進めた。その結果、選択的肝枝迷走神経切除により、Fas抗体で誘発した急性肝炎の増悪を認め、ニコチン補充によりその増悪が相殺された(Gastroenterology,in press2008)。 (2)疫学研究「C型慢性肝炎における肝癌罹患への心理社会的ストレスの影響」 上記の疫学研究のベースライン・データ収集は、平成15年度ですでに終了しており、エントリー患者総数は364名(慢性肝炎:272名、肝硬変:92名)であった。本年度は開始4年目のため観察のみであったが、平成20年度は5年目の最終年度にあたり、検査データを回収する予定である。
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