研究課題/領域番号 |
17390215
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金井 隆典 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40245478)
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研究分担者 |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / メモリー細胞 / マウス大腸炎モデル / プロバイオティクス / 自然免疫 / 制御性T細胞 |
研究概要 |
本研究では腸内細菌がどのような分子メカニズムに基づき、炎症性腸疾患発症のどの過程に関与するのかを明らかにすることを目的として、1)細菌に共通する認識機構であるToll-like受容体刺激が慢性大腸炎病態に必須であるか否かを明らかとし、2)最近、我々が開発した同一免疫記憶細胞継代自己免疫マウス家系システムおよびSingle Pathogenic Colitic T Cell Clone Transfer Colitisモデルを用いて慢性大腸炎責任腸内細菌特異的抗原の同定を検討した。(1)自然免疫系が著しく障害されているMyD88欠損マウスおよびlittermate controlマウスにDSSを投与したところ、予想に反しMyD88欠損マウスにより重篤な大腸上皮細胞の障害を伴うDSS大腸炎が惹起された。以上より、自然免疫系はマクロファージ・樹状細胞を介した免疫系への亢進シグナルばかりではなく上皮細胞系への再生亢進シグナルにも関与することが示唆された。(2)一方、MyD88欠損マウスより分離したCD4^+CD45RB^<high>細胞をSCIDマウスへ移入したところ、コントロールCD4^+CD45RB^<high>細胞同等の腸炎を惹起し、さらに、MyD88欠損マウス由来CD4+CD25+制御性T細胞はコントロールCD4+CD25+細胞同等に腸炎の発症を抑制したことにより、慢性大腸炎発症制御には獲得免疫系T細胞のToll-like受容体の関与は少ないことが予想された。(3)無菌下(GF)マウスより分離したCD4^+CD45RB^<high>細胞移入SCID腸炎モデルはGF SCIDマウスの調整を終え実施予定である。さらにはGFマウスのプロバイオティクス投与実験を行う予定である。
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