研究課題
●NS5A蛋白のリン酸化状態が、HCVの細胞内複製部位を制御することにより、HCV増殖能、インターフェロン抵抗性を制御していることが示唆されつつある。臨床的にはこのリン酸化はISDRによってコントロールされていると考えられ、これによりC型慢性肝炎の病態が規定されている。●本研究では、臨床的に血中HCV-RNA量、インターフェロン効果を制御することが判明しているNS5A-ISDR変異のHCVレプリコン増殖に対する作用を解析した。特にNS5A-ISDR上流の過剰リン酸化部位のセリン残基については系統的なmutagenesis analysisを行い、レプリコン増殖成立にともない自然発生するこの部位のadaptive mutationの意義を検討した。その結果、HCVのインターフェロン効果に関連するNS5A-ISDRの変異がHCVレプリコンの増殖に大きな影響を与えることを明らかとした。●NS5A-GFP融合蛋白発現レプリコンを作成、NS5A蛋白の細胞内動態をバイオイメージング可能とするシステムを構築のための基礎的検討を行った。NS5AのC末端側にGFPを融合させたHCVレプリコンを構築、Huh7細胞に導入しNS5A-GFP融合蛋白を発現するHCVレプリコン増殖細胞の確立を試みた。
すべて 2006
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J Viral Hepatitis in press