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2005 年度 実績報告書

心筋幹細胞の単離同定と細胞株の確立による心筋細胞分化の分子機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17390225
研究機関千葉大学

研究代表者

永井 敏雄  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00334194)

研究分担者 小室 一成  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
キーワード幹細胞 / 再生医療 / )循環器
研究概要

1)in vivoにおけるオキシトシンの効果の検討:マウス心筋梗塞モデルを用いて、オキシトシン連日腹腔内投与群と生食腹腔内投与群について、梗塞範囲、生存率について比較したが、差は認められなかった。したがって、in vivoにおける心筋幹細胞の分化誘導に関わる因子はin vitroとは異なるかまたは複数の因子が関与していると考えられた。
2)心臓Sca-1陽性細胞株の確立と細胞表面抗原の解析:成体マウスの心臓から磁気ビーズ法によりSca-1陽性細胞を分取して10%牛胎児血清存在下で希釈培養を行い、クローナルに増殖した細胞について継代培養を行い、長期にわたり一定のpopulation doubling timeを有する細胞株を得た。FACSによる細胞表面マーカー解析では、この細胞株はSca-1をほぼ100%発現し、CD29、CD44がほぼ100%陽性、CD34が〜30%陽性、CD45およびc-kitは陰性であり、間葉系細胞のprofileを持っていた。また、PCRによる解析では、心筋転写因子であるCSX/Nkx2.5とGATA4が発現していたが、心筋収縮蛋白の発現は認められなかった。上記の細胞表面抗原の発現の割合は長期継代の過程で変化なく、本細胞株は自己複製能力のある心筋幹細胞株であると考えられた。
3)in vitroにおける心臓Sca-1陽性細胞株の心筋細胞への分化誘導:オキシトシン、FGF、BMP、脱メチル化剤、新生仔rat心筋細胞との共培養、レトロウイルスによるMEF2c遺伝子導入を行ったが、現在のところ心筋細胞への分化は認められていない。今後、さらにWnt、feeder細胞などを試みる予定である。
4)in vivoにおける心臓Sca-1陽性細胞株の心筋細胞への分化誘導:心臓Sca-1陽性細胞株にレトロウイルスを用いて赤色蛍光色素(RFP)を発現させ、マウス心筋梗塞モデルの梗塞周囲に細胞移植を行った。その結果移植4週後にはRFP陽性細胞の一部に収縮蛋白の発現が認められ、in vivoにおいて、心臓Sca-1陽性細胞株は心筋細胞に分化しうることが明らかになった。今後、移植効率の改善と心機能評価を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Phosphatidylinositol 3-kinase-Akt pathway plays a critical role in early cardiomyogenesis by regulating canonical Wnt signaling.2005

    • 著者名/発表者名
      Naito AT
    • 雑誌名

      Circ Res. 97

      ページ: 144-151

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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