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2005 年度 実績報告書

心臓で合成されるホルモン群と心疾患との関連性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17390233
研究機関熊本大学

研究代表者

吉村 道博  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264295)

研究分担者 小川 久雄  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50177135)
キーワードアルドステロン / 食塩 / 心不全 / ナトリウム利尿ペプチド / ACTH / アンジオテンシンII / HPA軸 / 高血圧
研究概要

アルドステロンは種々の作用を介して心血管系に悪影響を与えると考えられているが、アルドステロンの心臓への直接作用についてはまだ十分に解明されていない。我々は細胞培養液のNa^+濃度を変えた仔ラット心筋細胞培養系を用いて、高Na^+存在下でのアルドステロンの心筋細胞に対する早期作用と長期作用について検討した。本研究にて、細胞外液にNa^+負荷した仔ラット心筋細胞培養系において、(i)アルドステロンは、早期にはNa^+/H^+ exchanger 1(NHE1)を介して細胞内へNa^+を流入(非ゲノム作用)させることで高浸透圧による心筋細胞脱水を防ぐ生理学的作用を有することが示された。この作用はアルドステロンが心臓に対して心保護的に働く場合があることを初めて示したものであり、アルドステロンの新しい概念形成に結びつくものと期待される。また、(ii)アルドステロンは、Na^+の長期負荷において、NHE1を介した心筋細胞肥大作用(ゲノム作用)を有することが示された。アルドステロン単独では必ずしも心血管系に悪影響を及ぼすことはないが、食塩と共同することで強い心肥大が生じることが明確に示された。また、そこに関与する受容体がNHE1であることが判明した(Endocr inology 2006にて発表)。
A型ナトリウム利尿ペプチド(hANP)は、現在、治療薬として臨床応用されている。hANPはRenin-Angiotensin-Aldosterone(RAA)系を抑制することが知られているが、HypothaIamic-Pituitary-Adrenal(HPA) Axisに関する効果は未知であった。我々は、当該研究において既に各種ステロイドおよびACTH濃度を検討済みであり、現在、論文投稿中である。
アルドステロンは副腎のみではなく、心不全の場合は、心臓局所での合成があることを我々は示してきた。現在、ラットおよびマウスを用いて、その合成を定量的に測定する系を確立し、それに高食塩や他の因子の影響を観察中である。また、同様にラットまたはマウスにおける心臓ACTH合成の検討の系を開発中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Direct Effects of Aldosterone on Cardiomyocytes in the Presence of Normal and Elevated Extracellular Sodium2006

    • 著者名/発表者名
      Yamamuro M, Yoshimura M, et al.
    • 雑誌名

      Endocrinology 147

      ページ: 1314-1321

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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