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2006 年度 実績報告書

心臓で合成されるホルモン群と心疾患との関連性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17390233
研究機関熊本大学

研究代表者

吉村 道博  熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (30264295)

研究分担者 小川 久雄  熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (50177135)
キーワード心不全 / 高血圧 / 腎不全 / RAA系抑制薬 / カリウム / hANP / BNP / 酸化ストレス
研究概要

現在心不全の治療においてRAA系阻害薬の使用は必要不可欠となっているが、当該治療の大きな問題点は、時に生じるK値の過度の上昇である。近々、新規の抗アルドステロン薬であるエプレレノンが国内で使用できると予想されることから、K値の問題は急務の検討課題に浮上した。本研究でもそれに関連してヒトでの研究を優先的に行った。熊本大学循環器内科に入院した連続1,035例を対象に、入院時のK値が如何なる因子に影響されるかを検討した。その結果、腎不全、糖尿病、RAA系抑制薬の使用がK値を上昇させたが、心不全(血漿BNP濃度で評価)ではむしろK値を低下させた。これまで、重症心不全は高カリウム血症の危険因子であるという報告が多かったが、我々の研究では反対の結果を得た。つまり、腎不全と糖尿病が存在する患者に、RAA系抑制薬を投与するとK値は上昇し易いが、それに心不全が加わると寧ろK値は上昇し難くなる。如何なる症例でK値に特に注意すべきかを指し示す重要な知見が得られた(論文投稿中)。一方、昨今、急性心不全においてはhANPを使用することが多いが、その作用機序は不明の点が多い。これに関してもヒトにおけるデータ集積が重要であり、hANP単独治療群とフロセミド単独治療群とを比較検討した。両治療群にてほぼ同様の血行動態の改善を認めたが、興味深いことに酸化ストレスのマーカーであるチオレドキシン濃度はhANP群でより大きく低下した。次に、ANPが直接的な抗酸化作用を有するかを検証する為に仔ラット心筋細胞培養系においてチオレドキシンmRNA発現を検討した。その結果、ANPで有意に抑制された。さらに、H_2DCF-DAを用いてスーパーオキサイドを高感度で評価した結果、ANPにて有意に抑制された。培養心筋細胞においては、既に内因性ANP, BNPが大量に分泌されているにもかかわらず、低濃度の外因性ANPが抗酸化作用を示すことは極めて興味深い(論文投稿中)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Plasma adiponectin levels are associated with coronary lesion complexity in men with coronary artery disease.2006

    • 著者名/発表者名
      Otsuka F, et al.
    • 雑誌名

      J Am Coll Cardiol 48・6

      ページ: 1155-1162

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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