研究課題
狭心症、虚血性心筋症を対象に、血管新生を目的にした低侵襲性高効率の細胞再生遺伝子治療の開発を行った。移植細胞として多分化能をもつ脱分化脂肪細胞の効率的培養方法として、ヒトの皮下組織より採取した成熟脂肪細胞を用いて幹細胞へ効率よく脱分化させる方法を確立した。さらに脱分化脂肪細胞、骨髄間質(ストロマ)細胞、間葉系幹細胞の細胞源として比較するためFACSにて分析し、脂肪細胞マーカー(PPAR-g、C/EPPb1)mRNA発現をモニタリングする。脱分化脂肪細胞から内皮細胞への分化の確認はCD31、VEGF、Flt-1、PECAM-1発現で評価し、虚血下肢モデルラットに移植し新生血管を組織学的に評価し、血管新生を確認した。つぎに脱分化脂肪細胞へのVEGF遺伝子導入としてHVJ-envelopeで高効率に導入されることを確認した。実際の細胞の心臓へのデリバリー方法として日本大学式冠静脈カテーテルを用いてVEGF遺伝子をHVJ-envelopeを用いて導入した脱分化脂肪細胞を成熟豚心筋へのデリバリーし、心臓を摘出し、紫外線によるGFPの導入効率を半定量的に評価し、高効率な導入を確認した。さらに、実際、豚心筋梗塞モデルへのVEGF遺伝子導入脂肪脱分化細胞移植として成熟豚の冠動脈前下行枝#7をビーズで完全閉塞させて閉塞型急性前壁心筋梗塞を作成し、経冠静脈的にVEGF遺伝子導入脂肪脱分化細胞を心筋にデリバリーし、投与方法の比較を行うために冠動脈からの血流を利用した直接投与法も検討し、冠静脈経由での細胞移植の方が心筋へのデリバリーと生着の優位性を確認した。導入4週間後に冠動脈造影、左室造影とコンダクタンス法、右心カテーテルで心機能の改善をコントロールと比較し、心臓を摘出し、病理学的にvW因子、VE-カドヘリン、a-SMアクチンの免疫染色において新生血管の有無を確認し、血管新生の増加を確認した。
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