研究課題
狭心症、虚血性心筋症を対象に、血管新生を目的にした低浸襲性高効率の細胞再生遺伝子治療の開発として、平成18年度は日本大学式冠静脈カテーテルによるVEGF遺伝子、脱分化脂肪細胞の心筋へのデリバリー法を検討した。遺伝子のデリバリーとしてGFP発現べクターをHVJ-envelopeで脱分化脂肪細胞に導入し、冠静脈カテーテルを用いて、逆行性に成熟豚の心筋に移植し、カテーテルでの移植の効率を検討した。さらに豚の冠動脈の前下行枝をビーズで閉塞した心筋梗塞モデルへの低浸襲性高効率の細胞再生遺伝子治療の前臨床試験として、VEGF遺伝子導入脂肪脱分化細胞移植を同様に行い、コンダクタンスカテーテルを用いた心機能と病理学的に新生血管を確認した。臨床使用に対応したヒト脱分化脂肪細胞の分離、体外増幅法の確立としてヒト皮下脂肪組織から成熟脂肪細胞を侵襲が低く、効率よく採取する方法や至適採取量を検討した。さらに脱分化脂肪細胞のプログラム凍結バンキングの開発として採取した脂肪細胞をGMPレベルで培養し、脱分化成熟脂肪細胞を得る方法を確立し、細胞をDMSO+デキストラン40にて安定化し、液体窒素バンクに凍結、最も効率のよいプログラム凍結、解凍法を検討した。臨床での下肢虚血性疾患に対するVEGF発現脱分化脂肪細胞を用いた細胞再生遺伝子療法を日本大学医学部の倫理委員会、臨床実施委員会の承認を得て、VEGF遺伝子導入脱分化脂肪細胞を用いた血管新生細胞再生遺伝子治療の臨床試験を開始し、安全性、有効性について評価を行う。
すべて 2007 2006
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