研究課題
狭心症、虚血性心筋症を対象に、平成19年度は血管新生を目的にした低浸襲性高効率の細胞再生遺伝子治療の前臨床試験として、豚に冠動脈内にビーズを入れ急性心筋梗塞を作成し、これに対し日本大学式冠静脈カテーテル用いて血管新生VEGF遺伝子をHVJ-envelopeを用いて脱分化成熟脂肪細胞(DFAT)に導入し、臨床効果を検討した。結果としてはDFAT単独の細胞移植に比較して、VEGF遺伝子導入DFATの移植の方が、isolectin B4染色による組織学的血管新生は有意な増加を確認した。さらにDFATを用いた低浸襲性高効率の細胞再生遺伝子治療の臨床応用の為、厚生労働省のヒト幹細胞移植指針に基づいて、DFATの増幅培養を自己血清を用いて、もっとも高効率培養系を確認した。またプログラム凍結バンキングの開発として採取した脂肪細胞をGMPレベルで培養し、脱分化成熟脂肪細胞を得る方法を確立し、細胞をDMSO+デキストラン40にて安定化し、液体窒素バンクに凍結、最も効率のよいプログラム凍結、解凍法を確認し、安全性、有効性について評価を行った。さらに臨床での下肢虚血性疾患に対するVEGF発現脱分化脂肪細胞を用いた細胞再生遺伝子療法を日本大学医学部の倫理委員会、臨床実施委員会の承認のため、VEGF遺伝子導入脱分化脂肪細胞を用いた血管新生細胞再生遺伝子治療の臨床試験を計画している。
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Journal of Cell Physiology 215
ページ: 210-222
Hypertension Research (in press)