研究課題/領域番号 |
17390256
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
服部 信孝 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80218510)
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研究分担者 |
佐藤 健一 順天堂大学, 医学部, 助手 (00276461)
町田 裕 順天堂大学, 医学部, 助手 (90317470)
平澤 基之 順天堂大学, 医学部, 助手 (90338393)
水野 美邦 順天堂大学, 医学部, 教授 (30049043)
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キーワード | 家族性パーキンソン病 / パーキン / alpha-synuclein / duplication / アグリゾーム / 14-3-3η / ドパミンキノン体 / LRRK2 |
研究概要 |
パーキン遺伝子変異は、劣性で発症するとされていたが、ヘテロ接合体でも発症することが分かった。劣性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子であるPINK1,DJ-1の変異解析も並行して行った。その結果、DJ-1については一例も存在しなかった。PINKIについては、劣性遺伝性であれば、約6%に陽性であった。優性遺伝性PDに関しては、SNCA(alpha-synuclein)のduplicationの症例が、わが国にも存在していることを確認した。浸透率が33%と低く重複を持っていても発症しないケースのほうが多いことが分かった。また4家系については創始者効果が認められており、二種類のduplicationが存在していることが判明した。一般にduplicationの症例には痴呆症状が存在しないとされているが、重複範囲が広い症例で痴呆が存在していた。重複の範囲が問題なのか今後の検討が必要と思われた。Park8のLRRK2変異解析も行い、わが国にもG2019Sのホットスポットと言われる変異が存在していた。またこの変異の隣にあるI2020T変異は、相模原出身のPark8のマップのindex家系とハプロタイプが一緒であり、創始者効果を示していることが分かった。頻度的には、exon41が最も頻度が高いが、exonが51あり、迅速な変異解析の方法の開発が望まれた。一方、機能解析については、封入体形成の機序モデルとしてプロテアソーム阻害剤を加えた培養細胞系でアグリゾームが形成されることが分かった。このアグリゾームは、Valosin-containing proteinの変異型で抑制されることを見出した。遺伝性PDの遺伝子産物の機能解析については、パーキンとalpha-synucleinは、同じドパミン代謝に関わっていることを証明した。また14-3-3ηとパーキンが結合し、リガーゼ活性を制御していることが分かった。
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