研究課題
ヒト中枢神経系の加齢に伴う翻訳後異常修飾蛋白蓄積である、アミロイドベータ蛋白(Aβ)沈着による老人斑とアミロイドアンギオパチー、リン酸化タウ蛋白(pτ)沈着による神経原線維変化(NFT)と嗜銀顆粒(AG)、リン酸化アルファシヌクレイン(psyn)沈着によるLewy小体(LB)について、高齢者ブレインバンク内DNA保存1597例を対象に検討した。今年度は、4repeatR(R)tauopathyである進行性核上性麻痺(PSP)、皮質基底核変性症(CBD)、AG性認知症(AGD)、3R tauopathyであるPick病、3+4R tauopathyであるアルツハイマー病(AD)と、NFT優位型認知症(NFTD)のそれぞれとLB病(LBD)の合併頻度を検討した。PSPとLBDの合併はPSPの20%に認められ、背景の23.4%と差はなかった。CBDとLBDの合併は25%、AGDとLBDの合併も25.5%で、背景と差はなかった。Pick病LBDの合併は認められなかった。ADとLBDの合併は35.3%に認められ、うち扁桃核亜型は5.9%であり、背景と有意差を持ち高頻度であった。石灰沈着を伴うNFTDに伴うLBDは、全例に合併し、LBD皮質型を満たした。グアムパーキンソン病認知症複合体においては、LBD扁桃核亜型の合併を全例にみた。NFTDとLBDの合併は22.3%と背景と差はなかった。以上、4R tauopathy、3R tuopathyとLBDとの相乗効果は、頻度上は明瞭でなかった。一方3+4R tauopathyとLBDは、Aβを介さなくても特殊型の場合は相乗作用を持つことが確認された。Niemann-Pick type C mutantとApoE e4 knock inのdouble homozygoteについては、現在サンプル数を増やし検討中である。
すべて 2005
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