研究課題
ヒト中枢神経系の加齢に伴う翻訳後異常修飾蛋白蓄積は、アミロイドベータ蛋白(Aβ)沈着による老人斑(SP)とアミロイドアンギオパチー、リン酸化タウ蛋白(pτ)沈着による神経原線維変化(NFT)と嗜銀顆粒、リン酸化アルファシヌクレイン(psyn)沈着によるLewy小体がその代表である。本研究では、Aβ沈着がpτの沈着(タウオパチー)を誘導するというアミロイド仮説(amyloid cascading hypothesis)がアルツハイマー病(AD)の新皮質で成立することを確認した。すなわち、連続剖検1600例について、BrakらのSP-NFTステージ分類を施し、NFT Stage V/VIの症例は、特殊例の2例をのぞき、全てSP Stage Cであった。また、psyn沈着が、新皮質のみならず嗅球においても、Aβの沈着に影響を受けることを明らかにした。また、辺縁系においてはpτの影響を受けることを、同一細胞内の沈着を示すことで明らかにした。これは部位としてこれまで報告されていた、扁桃核・嗅内野・海馬CA2-3以外に嗅球前嗅核で新たに証明した。また疾患として多系統萎縮症においても明らかにした。さらにこの共存は、3+4repeat tauopathyでないと起きないことも明らかにした。さらに、臨床的に、ニーマンピック病C1(NPC1)型とapoE e4遺伝子多型を合わせ持つと、Aβ、pτ、psynの重複沈着を示す事実をもとに、この両者の遺伝子異常を持つマウスを解析することで、重複沈着の機序を明らかにすることをこころみたが、CA3,4knock in miceともbreedが極めて困難で、double transgenicの維持ができなかった。
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