研究課題
基盤研究(B)
高齢者の変性型老化性変化の重複沈着の機構を明らかにする目的で、東京都老人医療センター連続開頭剖検例から文書同意を得た、高齢者ブレインバンク(BBAR)登録例に網羅的に、H.E.、KB.染色を通常とし、Gallyas-Braak・Methenamine鍍銀染色に、抗アミロイドβ蛋白(Aβ)(11-24)、リン酸化タウ(AT8)、リン酸化αシヌクレイン(psyn#64)、ユビキチン抗体で免疫染色を行う、BBARプロトコール(www.mci.gr.jp/BrainBank/)に基づき検討した。DNAが保存された1,628例中、老人班(SP)ステージ0-C、神経原線維変化(NFT)ステージI-VIに分類したところ、分散傾向が見られたが、NFT新皮質ステージには、Braak Stage Cが6例の例外を除き要求されることで、アミロイド仮説は新皮質では成立することが明らかとなった。一方、レビー小体型認知症(DLB)コンセンサスガイドライン(1996)に従ったレビースコアと、認知症・パーキンソン症状の有無で分類した、BBARステージ分類I-Vで同一集団を解析したところ、レビースコア新皮質ステージとSPステージCが相関することが明らかとなった。我々が提唱している嗜銀顆粒ステージ分類では、SP、NFTとも相関はみられなかった。一方、末梢自律神経系へのレビー小体病理の進展には、SP Stage C、NFT Stage IV以上が有意の負の相関をとることが明らかとなった。さらに、嗅球のレビー小体病理には、NFT Stageが有意ではないが正の影響を当てることが明らかとなった。以上の点より、新皮質では、タウ、シヌクレインの沈着はAβに影響を受け、辺縁系ではタウとシヌクレインが相互に影響し合い、シヌクレインの末梢への沈着は、アルツハイマー変化が抑制することが明らかとなった。
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