研究課題/領域番号 |
17390279
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
|
研究分担者 |
佐々木 えりか 九州大学, 実験動物中央研究所, 研究員 (70390739)
末廣 陽子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50380522)
|
キーワード | コモンマーモセット / ES細胞 / tall / scl / SSEA4抗体 / tet-on / アデノウイルスベクター / 造血前駆細胞 / NOGマウス |
研究概要 |
これまでに我々は小型霊長類コモンマーモセットES細胞を独自に樹立する事に成功したことに加え、tall/scl遺伝子を導入することにより、非常に効率良くES細胞から造血前駆細胞へと分化誘導できることを明らかにしてきた。本研究を将来的には人再生医療研究に還元することを目的に、平成17年度は、まず恒常的にtall/scl遺伝子を発現するES(ES-tall/scl)細胞株を樹立し、同細胞のin vivoにおける動態について解析を行った。すなわちES-tall/scl細胞株を5日間in vitroにおいて培養後、未分化マーカーであるSSEA4抗体を用いて同陽性細胞を除去し、SSEA(-)の分化した細胞群を免疫不全(NOG)マウス骨髄中に移植したところ、移植後3週目の脾臓において血球細胞の顕著な増加が確認された。この現象は、tall/scl遺伝子を導入しなかったコントロール細胞接種マウスでは確認されなかったことから、tall/scl遺伝子はin vivoにおいても効率よく造血細胞を誘導できることが示唆された。ES-tall/scl分化細胞がin vivoにおいて骨髄長期再構築能を有するのかに関しては現在検討中である。また、我々はtall/scl遺伝子の発現時期・量の制御が極めて重要であると考え、tet-on(テトラサイクリン応答)型アデノウイルスベクターを構築し、同アデノウイルスの生産を行った。現在in vivoでのさらなる解析を行うとともに、tall/scl遺伝子の発現時期・量とその分化誘導能の相関についても検討を行っている。
|