研究課題
基盤研究(B)
GVHDの発症にはドナーT細胞とレシピエント樹状細胞(DC)の相互作用が重要であり,ここに着目した新たなGVHD予防法を検討した.FTY720はT細胞のリンパ節から末梢組織への移動を抑制する.マウスモデルで同種骨髄移植後のレシピエントにFTY720を経口投与した。FTY投与群ではドナーT細胞がリンパ節内でレシピエントDCによって過剰な活性化をおこし、アポトーシス(activation-induced cell death:AICD)によって、アロ応答性T細胞の減少をもたらし,GVHDの軽減がみられた。次に、DC、標的細胞に発現するアロ抗原と、GVL効果との関連を検討した。アロ抗原が標的細胞上には発現しない骨髄キメラマウスを作製し、腫瘍を投与し担がんマウスとして移植を行い、GVHDとGVL効果を観察した。現在までに得られている結果は、GVL効果の発現にはアロ抗原がDC上に発現する必要があること、しかし、標的細胞上のアロ抗原の発現はGVHDを重症化するが、GVL効果を減弱した。この結果からアロ抗原の発現分布がGVHDとGVL効果に大きく影響することが明らかとなった。次にDCサブセットのGVHD誘導能を検討した.DCはconventional DC(cDC)とplasmacytoid DC(pDC)とに大別される.MHCclassII-/-B6マウスに全身放射線照射(TBI)を行い,MHC class II+/+ cDC,、pDC、あるいはB細胞をadd-backした後に同種骨髄移植を行った.その結果,cDC とpDCは、ドナーCD4+T細胞を活性化し、GVHDを起こした.このようなpDCによるドナーT細胞の活性化にはpDC自体の活性化が必要であり,TBIによってTLR非依存性にpDCが活性化し、GVHDが発症することを示した.従ってDCを標的としたGVHD予防の開発にはcDCとpDCを標的とする必要性があることが示唆された.
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