研究課題/領域番号 |
17390281
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 実根 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (00019621)
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研究分担者 |
下田 和哉 宮崎大学, 医学部, 教授 (90311844)
長藤 宏司 九州大学, 大学病院, 助手 (60343323)
原田 直樹 九州大学, 大学病院, 助手 (80404028)
石川 文彦 九州大学, 大学院医学研究院, 共同研究員 (30403918)
竹中 克斗 九州大学, 大学病院, 助手 (30301295)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / 成人T細胞性白血病 / 骨髄線維症 / 急性転化 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
慢性骨髄性増殖性疾患である原発性骨前線維症では、43%にサイトカインのシグナル伝達に必須なチロシンキナーゼであるJak2に遺伝子変異が生じると報告されている。そこで、本邦における遺伝子変異の頻度を検索したところ46%の症例にJak2の遺伝子変異がみられた。高率にJak2の遺伝子変異が生じていることは、Jak2の遺伝子変異が疾患の原因である可能性を想定させる。そこでJak2の617番目のバリンをフェニルアラニンに置換したV617F Jak2の過剰発現マウスを作成した。 Tgマウスが複数ライン得られたが、白血球増多、赤血球増多、血小板増多を示すなどラインにより多少表現型が異なった。このうち1つのラインでは、WBC68.9±39.4×109/L, Ht44.2±4.8、Plt1325±389×10^9/Lと、野生型のWBC9.8±2.1×10^9/L、Ht52.7±2.3%、Plt847±191×10^9/Lと比べ、白血球、血小板の増加と貧血を呈した。骨髄は過形成であり、異形を件う巨核球の増加が著明であった。赤芽球系の細胞は減少していた。銀染色を行うと、ごく軽度の骨髄の線維化がみられた。これらの所見は、ヒト骨前線維症の初期である「前線維化期」の骨髄所見と同様である。今後、長期間の観察により骨髄の線維化が著明となるか、白血化するかなどの検討を行う。
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