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2007 年度 実績報告書

肝胆膵の発生・分化の分子機構の解明とその障害による小児疾患の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 17390296
研究機関筑波大学

研究代表者

須磨崎 亮  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40163050)

研究分担者 有波 忠雄  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (10212648)
島野 仁  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20251241)
キーワード糖尿病 / 再生医学 / 転写因子 / 発生・分化 / ランゲルハンス島 / アラジール症候群 / インスリン
研究概要

膵臓の幹細胞に発現する転写因子Pdx1のプロモーター制御下に、Hes1を発現するトランスジェニックマウスを用いることにより、Notchシグナルが膵臓幹細胞の増殖分化を制御していることが証明された。すなわち、Hes1の過剰発現が著しい場合には膵臓内分泌も外分泌もまったく形成されず、膵臓低形成になって出生数日以内に死亡する。これに対して過剰発現の程度が軽い場合は胎仔期のランゲルハンス島の低形成のみが見られる。さらに、本マウスの解析により、膵臓のランゲルハンス島の新生にHes1が関与していることが証明されつつある。特に注目すべきは、胎生期のランゲルハンス島の低形成の程度によっては、新生仔マウスから成マウスになるまで、糖尿病の発症時期が異なることが明らかになったことである。膵無形成よりやや発現量が少ないと、内分泌前駆細胞の分化のみが抑制され、長期生存するが、出生時からインスリン欠乏性の糖尿病をきたす。さらに過剰発現の量が少ないと出生時からランゲルハンス島の数が少ないが、糖代謝は正常である。成長するにしたがって、とくに高糖高脂肪餌で飼育して肥満が起こ、るとインスリン分泌がインスリン抵抗性に追いつかずに、2型糖尿病を発症する。出生時のβ細胞量が少ないと、成熟後にも膵島の代償性肥大が不十分となり、糖尿病を発症することは、日本人を含めたアジア人型のインスリン分泌が相対的に乏しいタイプの生活習慣病胎児期発症仮説の動物モデルを提供する意義がある。本研究はこれにより、膵臓幹細胞の分化・制御のみならず、糠尿病発症機序を解明する点でも貢献しうると考えられ、現在投稿論文を準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の病態2007

    • 著者名/発表者名
      須磨崎 亮
    • 雑誌名

      小児科診療 70

      ページ: 924-929

  • [学会発表] 遺伝性肝内胆汁うっ滞症2007

    • 著者名/発表者名
      須磨崎 亮
    • 学会等名
      第34回日本小児栄養消化器肝臓学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-10-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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