研究課題/領域番号 |
17390297
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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研究分担者 |
海老原 康博 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40302608)
河崎 裕英 関西医科大学, 小児科, 講師 (80278621)
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キーワード | ヒト胚性幹細胞(ES細胞) / 胎仔肝 / ストローマ細胞 / 多能性造血細胞 / 混合コロニー形成細胞 / 肥満細胞 / 抗アレルギー薬 |
研究概要 |
本年度は、ヒトES細胞とマウス胎仔肝由来ストローマ細胞と共培養において産生される多能性造血細胞(混合コロニー形成細胞:Mix-CFC(mixed lineage colony-forming cell))の性状について、更に解析を行なった。 ヒトES細胞をマウス胎仔肝由来ストローマ細胞と共培養すると、培養10日目頃よりMix-CFCは産生された。そこで、培養14日目に採取されたMix-CFCを、SCF(stem cell factor)、FL(Flk2-ligand)、IL(interleukin)-3、IL6、G-CSF(granulocyte colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、TPO(thrombopoietin)等の種々のサイトカイン存在下で液体培養すると、赤血球系細胞、巨核球系細胞、顆粒球系細胞、肥満細胞等様々な血液細胞が産生された。特に、培養2週間後には、培養液中には多くの肥満細胞が出現したが、これらの肥満細胞の大部分はtryptase(+)chymase(-)のT型肥満細胞(粘膜型肥満細胞)であった。培養1ヶ月頃には、一部にはtryptase(+)chymase(+)のTC型肥満細胞(組織型肥満細胞)も認められたが、多くはT型肥満細胞のままであった。 一方、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞と14日間共培養されたヒトES細胞をSCFなどのサイトカイン存在下で直接液体培養すると、培養1週間目にはtryptase(-)chymase(+)細胞が出現し、培養1ヶ月後にはその多くはtryptase(+)chymase(+)のTC型肥満細胞となった。 以上の結果から。胎生期における肥満細胞の発達には、多能性造血前駆細胞を介して肥満細胞が産生される経路の他に、早期にTC型組織型肥満細胞を産生する経路が存在する可能性が示唆された。
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