研究課題
基盤研究(B)
細胞死受容体刺激によりアポトーシスが誘導される急性リンパ性白血病(ALL)細胞において、カスパーゼ-8、カスパーゼ-3の活性化は、細胞周期に対する依存性が認められた。即ち、カスパーゼ-8の活性化された細胞は、GO/G1期に認められ、cyclin A/B1/E陰性を示した。カスパーゼ-3の活性化された細胞は、GO/G1期からS期に認められ、cyclin E/D1陽性、cyclinンA/B1、 p27/kip-1、 Ki67陰性であった。また、細胞回転がGl早期に休止すると、細胞死、カスパーゼの活性化は抑制された。以上より、カスパーゼ-8は、GO/G1期に、カスパーゼ-3は、G1後期からS期早期にて活性化されると考えられた。細胞死受容体を介したアポトーシス誘導に対して耐性を獲得したALL細胞においては、Aktのリン酸化が誘導されており、PI3 Kinase阻害剤の処理により、その耐性が克服された。耐性細胞におけるAktのリン酸化の亢進は、PTEN(phosphate and tensin homologue deleted on chromosome 10)のリン酸化(不活性化)によると考えられた。MEK/MAPK経路に関しては、JNKとp38は、全てのALL細胞において活性化していた。これに対して、ERK1/2の活性化は、B細胞系ALL、T細胞ALLともに約30%の細胞において活性化が認められた。さらにERK1/2活性の抑制により、細胞増殖が抑制される細胞群と、細胞死が誘導される細胞群が見られた。細胞死受容体を介したシグナル伝達系とPI3 Kinase/Akt系、MEK/MAPK系とのクロストークにより、細胞増殖・抑制、細胞死誘導の決定がなされていることが示唆された。
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