研究課題
基盤研究(B)
紫外線による制御性T細胞の誘導Narrowband UVB(NB-UVB)は、生活制限の少なさや発癌性の問題などによりPUVAやbroadband UVB(BB-UVB)にかわり、乾癬・アトピー性皮膚炎などの難治性皮膚疾患に応用されてきている。紫外線治療の作用機序は、主に以下の3つが考えられる。1.可溶性メディエーターに対する効果。2.細胞表面関連の分子の調節。3.病因となるT細胞のアポトーシスの誘導。NB-UVBの作用機序としては3が主であると考えられている。一方、紫外線治療では治療終了後も寛解期間が長い特徴があり、アポトーシスの誘導以外に制御性T細胞の誘導が考えられる。これまでに、接触過敏反応(CHS)、遅延型過敏反応(DTH)のモデルでBB-UVB照射による局所・全身性免疫抑制作用が報告されており、我々はNB-UVBでも同様に免疫抑制作用があることをこれまで報告した。この結果から免疫抑制に対する作用波長を検討するため、DTHのマウスモデルを使用し、モノクロメーターを用いて290、300、310、320nmの波長の光(半値幅5nm)を各50mJ/cm2ずつマウス腹部に照射したところ、300nmをピークとしてすべての波長で免疫抑制効果を認めた。またCHS・DTHとも、紫外線による免疫抑制をおこしたマウスから、他のマウスにリンパ球を移入するとトレランスの誘導が可能で、制御性T細胞の関与が考えられた。そこで、各波長の紫外線を照射したマウスのリンパ節におけるリンパ球のFoxp3発現をreal-time PCRを用いて解析したところ、300nmをピークとしてコントロールに比較し約2倍に発現が増加していた。またIL-10は300nm付近をピークとして約5倍の発現の増加を認め、その他IL-17・IL-23・IL12は、Foxp3・IL-10と逆になるように発現の低下が認められた(IL-17:約40%、IL23:約25%、IL-12:約30%への低下)。これらのことから、300nm付近の紫外線によって、Foxp3陽性制御性T細胞が誘導されるばかりでなく、Th17細胞の抑制が新たな紫外線免疫抑制の経路として今回の研究から明らかとなった。
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