研究課題
γセクレターゼによるβAPPおよびNotchの膜内切断の詳細について明らかにするため、セル・フリーγセクレターゼアッセイ系を利用した。そして既存のγセクレターゼ阻害剤が有効濃度と毒性濃度の差が小さいながらも適切な濃度使用すれば「Aβ産生は阻害するが、NICD産生は阻害しない」ことを示している。この仮説に基づき第二世代γセクレターゼ阻害薬の開発に関連して、Aβ産生阻害作用によりスクリーニングを実施したところセクレターゼ群やNotchシグナル伝達に影響を与えない新規コンパウンド群を発見した(投稿準備中)。一部のNSAIDなどの「Aβ42産生を阻害するγセクレターゼの修飾薬」のNotchやβAPPなどの他の膜内蛋白分解に及ぼす影響はよく吟味されていない。我々は、上記のアッセイ系を用いてこれらのコンパウンドのγ40以外の切断(γ49,S4,S3)に対する影響について検討下結果を発表した(Okochi et al.,2006 JBC)。この結果プレセニリンによる膜内タンパク分解は基質内でその性質が異なるにもかかわらず、基質間では極めてよく似ていることが明らかになった。この系を利用した「NSAID以外のγセクレターゼ修飾薬」の開発は規模を拡大して実施準備中である。具体的にはハイ・スループット・スクリーニングを実施できるように各アッセイ系を適切に改変中であり平成18年度にはスクリーニングを実施する予定である。またNotchの段階的タンパク分解の過程で放出されるNβの内Aβ40およびAβ42に相当するペプチドを同定した(Okochi et al.,2006 JBC)。
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J Biol Chem. Epub
BIOCHEMISTRY in press
Neurobiology of Disease. Epub
J Neuroscience in press
CURRENT THERAPY Vol.24 No.3
ページ: 33-37