研究課題/領域番号 |
17390320
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山脇 成人 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40230601)
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研究分担者 |
岡本 泰昌 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70314763)
山下 英尚 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50294591)
高見 浩 広島大学, 病院・助手
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キーワード | 脳血管性うつ病 / 機能的MRI / 前頭葉機能低下 / 意欲低下 / 認知的リハビリテーション |
研究概要 |
脳血管性うつ病(vascular depression : VD)の認知情報処理に関連する脳機能障害と部位を明らかにし、病態に基づいた治療法を開発することおよびVDの存在が脳卒中後のリハビリテーションにおよぼす影響を明らかにして脳卒中患者のリハビリテーションの予後を改善させることを目的として以下のような検討をおこなった。1)機能的MRIを用いたVDで認められる機能障害についての検討、2)脳卒中後うつ病とリハビリテーションとの関連、3)脳卒中患者の高次脳機能障害と抑うつとの関連、4)脳卒中後うつ病患者に対する認知的リハビリテーション。その結果、1)VD患者を対象とした言語流暢性課題ではnon-VD患者、健常対照者と比較して言語流暢性課題の左前頭葉の活動範囲が小さかった。2)脳卒中患者では抑うつ、意欲低下の程度と機能障害の程度と相関していたことから、抑うつ傾向の改善がリハビリテーションの機能回復にとって大切であることが示された。3)脳卒中患者ではvigilanceの程度と意欲低下との間で相関が認められた。4)Attention process trainingをおこなうことで認知機能の改善が認められた。以上の結果より脳卒中後のリハビリテーションに抑うつが影響を及ぼすこと、脳卒中後のうつ状態は認知機能の障害と関連していることが明らかとなり、Attention process trainingなどの認知的リハビリテーションが脳卒中患者の認知機能障害のみならず、抑うつ症状や身体的なリハビリテーションの改善にも役立つ可能性が示唆された。
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