1995年5月から2005年12月までに、大阪大学医学部附属病院にて122人の患者を高線量率小線源治療単独療法(外照射を併用しない)で治療し、今回解析した。年齢中央値は68歳(47-81歳)、TステージはT1:T2:T3:T4=29:36:51:6人。Gleason Score(GS)の中央値7(2-10)、治療前PSAの中央値16.7ng/ml(3.8-233.0)。リスク分類(低リスク:PSA<10.0ng/ml、GS2-6かっT1c-T2b、高リスク:PSA>=20.0ng/ml、GS8-10またはT3-T4、中リスク:上記以外)では、低:中:高リスク=15:32:75人。ホルモン療法は101例で併用、観察期間の中央値は33ヶ月(6-129)であった。線量分割は初期の7人は48Gy/8回/5日、その後の112人は54Gy/9回/5日、最も最近の3名は45.5Gy/7回/4日である。それぞれの線量分割は、LQmode1においてα/β=1.5Gyとした場合、1回2Gyの103Gy、116Gy、104Gyに相当する。全症例の5年全生存率は94%、5年局所制御率は97%、5年PSA制御率は77%であった。低・中・高リスク群の5年PSA制御率はそれぞれ、91%、92%、67%であった。有害事象は、急性期Grade3、2、1がそれぞれ6、24、59例、晩期Grade3、2、1がそれぞれ2、13、28例(CTCAE v3.0)であった。高線量率小線源治療単独療法は我々のレジメンで実行可能であり、毒性は許容範囲内である。初期・中期の治療成績は他の報告と比較して遜色なく、被膜外進展部位の治療可能性や生物学的高線量から局所進行癌に対しても有用である可能性が示された。 また、従来4-5日間ベッド上安静を必要とした本法の治療中QOLを改善するため、治療中も歩行可能となる方法を考案し報告した。
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