研究課題/領域番号 |
17390340
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研究機関 | 秋田県立脳血管研究センター |
研究代表者 |
菅野 巖 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 研究局, 副研究局長 (10360356)
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研究分担者 |
近藤 靖 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 神経内科学研究部, 主任研究員 (70360360)
角 弘諭 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (10334830)
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (40360359)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 超偏極Xe / 視覚賦活 / 脳血流 / ケミカルシフト / MRI |
研究概要 |
本年度は超偏極129Xeの持っている脳機能イメージングとしてのポテンシャルを実証するため、ヒトからのキセノン信号収集として視覚刺激による脳賦活測定を試みた。脳組織の血流は神経活動の賦活により、血流が増加することが知られており、超偏極キセノンのCSI画像を安静時および、賦活時の両者で計測し、その差分画像を取得した。被検者の頭部に129Xe用バードケージコイルを装着し、ミラーを使って足元の視覚刺激用スクリーンを視認できる状態にしたうえで測定をおこない、視覚野を賦活する手段として、スクリーンに投射された白黒反転の繰り返し画像を利用する。撮像されたCSI画像はおよそ4cm四方のボクセルから得られる。体軸方向には傾斜磁場を印加していないためこの方向のデータはすべて積算された形で計測される。特徴的な2つのピーク高について、視覚賦活時から安静時の差を求め、従来のプロトン画像に重ね合わせて表示させたところ、第一次視覚野(中央下)の信号増加が認められ、これは従来の脳機能画像の結果と一致した。空間分解能は不十分であるが、新しい脳賦活測定手法が実証できたことになる。 129Xe信号測定条件の最適化および、CSの縦緩和時間T1の計算について、動物実験により確認を行ない、感度の高い表面コイルにおいてT1を推定する手法を確立した。CSスペクトラムのピーク位置の生成源を同定するため、炭酸ガスをラットに直接吸入させることで血液中のPaCO2を制御し、脳血流量レベルを変えて測定する実験手法を開発したが、超偏極キセノンを用いた測定は来年度の課題となった。また、こうした実験中、超偏極キセノンガス生成装置から得られる偏極率が安定しないということが問題となった。レーザー光によりRb原子蒸気の分布を測定するなど、偏極生成装置の安定化のための条件を探っているが、その原因についてはまだ未解明の部分がある。
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