昨年度までに、独法成果活用事業として我々放医研と神戸製鋼所との研究協力によって開発したサルまでの大型動物の計測が可能な自己シールド型でゼロボイルオフ型7Tesla/400mm/SSマグネットを、BrukerのMRIコンソールと結合することによって、7Tesla級の動物実験専用超高磁場MRI装置(内径400mm)と測定系の結合試験を17年度前半で終了。18年度は昨年度報告の通^<13>C、^<17>O、^<19>Fなどの多核種MRS/MRIの計測を行うための装置のチューニングとその性能確認、超高磁場までを考慮した高周波回路(アンテナ系)の新しいPAACアンテナの動作評価および開発研究を行い、従来型の高磁場計測用のTEMコイルとの比較検討、高周波特性の7Tesla磁場中での実測評価を行った。さらに19年度からは実機を使った実験的検討として、大型臨床用装置も用いて、多核種MRスペクトル、多次元スペクトルおよびマイクロイメージングなど各要素技術の7Tへの応用に向けた開発研究を引き続き行った。送信受信を分離した2chフェイズドアレイコイルの開発により、平面内空間分解能で75μm以下で実用的な感度を達成した。最終年度として、PAACコイルの改良開発研究をさらに展開させ、RFコイルのコンピュータシミュレーションを継続するとともにさらに、次の研究への発展研究として、先に基本設計を行ったPAACコイルを基本形として超高磁場環境で有効かつ安全に計測するためのRFプローブの基礎的検討を国際的レベルで行った。
|