研究課題/領域番号 |
17390342
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
入江 俊章 独立行政法人放射線医学総合研究所, 画像医学部, 室長 (40160072)
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研究分担者 |
上原 知也 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10323403)
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
今中 恭子 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
棚田 修二 独立行政法人放射線医学総合研究所, 部長 (40116950)
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キーワード | 画像診断学 / 組織再構築 / 細胞外マトリクス / 遺伝子工学 / 抗体 |
研究概要 |
樹立されたモノクローナルマウス抗テネイシンC(TNC)抗体ハイブリドーマや抗TNC Fab抗体、精製TNCを三重大学が作製、提供した。 神戸薬科大学にて、抗TNC抗体4F10TTに由来するscFvのC末端配列を改変してVH-linker-VL-Flag-Cys(Cysはメルカプト基を有する)とし、ラジオアイソトープによる標識が可能な分子を作製した。 ハイブリドーマからRNAを抽出し、RT-PCR法によりH鎖およびL鎖のドメイン(VHとVL)の遺伝子をクローニングし、これらをoverlap extension PCRに付すことによりリンカー配列を介して連結し、scFv遺伝子を構築した。これを発現ベクターにサブクローニングしたのち大腸菌に導入して、可溶型scFvタンパク質を調製した。 ELISAで調べたところ、得られたscFvは1NCに対する結合特性を保持していた。また、メルカプト基が付加されていることを、マレイミド化ビオチン化との反応性を有することから確認した。 放射線医学総合研究所(放医研)にてBiacoreを用いて、解離定数(K_D)を求めたところ、scFvでは4x10^<-8>Mとなり、これまで用いてきたFab抗体の7x10^<-8>Mに比べ同等か低値であった。新規分子抗体の親和性は低下していないと判断された。 千葉大学では、キレート(EMCS-Bz-EDTA)を作製し、scFvに付加し、インジウム-111を用い標識した。放医研が作製した心筋梗塞モデルラットに、ラジオアイソトープ標識抗体を尾静注し、臓器分布を調べた。その結果、血液中の洗い出しは良好であるが、肝臓の集積は高まった。心筋梗塞部は、非心筋梗塞部に比べ高い集積を認めた。オートラジオグラムと隣接切片の病理評価を行い、心筋梗塞による心筋壊死部に一致してscFvの集積が認められ、線維化も軽度確認された。
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